HOME > (記事) > 主力投手としての地位と責任感が隅田知一郎投手をさらに強くしていく!

2024年9月18日公開

主力投手としての地位と責任感が隅田知一郎投手をさらに強くしていく!

隅田知一郎投手

地位が人を育てる、という言葉があるわけだが、まさに今その地位が隅田知一郎投手をさらなる高みへと導こうとそている。先日、これまで長年にわたりライオンズの投手陣を引っ張ってきた増田達至投手の引退が発表された。それを受け隅田投手も、「ライオンズを任せていっても良いなと(増田投手に)思ってもらえるように、僕らがちゃんとチームを引っ張っていくというところを見せられたら」と語っていた。

そして今ひとつ殻を破りきれないでいる松本航投手にしても、「僕が初めて中継ぎに入った時に本当に色々教えてもらい、増田さんの姿からも学んだ。ピッチャー陣のお手本でした」と語っている。隅田投手にしても松本投手にしても、増田投手という偉大な先輩投手からさまざまなことを学び、今確実にステップアップしようとしている。

特に隅田投手に関しては年々着実にレベルアップしており、1年目は1勝10敗、2年目の昨季は9勝10敗、そして今季はここまで9勝9敗となっている。隅田投手はあと1試合は確実に投げる機会があると思われるため、この数字を何としても10勝9敗に持っていき、ルーキーイヤーからの3年連続二桁敗戦だけは避けていきたい。

とは言え負けを避けるような消極的なピッチングをして勝てるほどプロの世界は甘くはない。今日のように積極果敢に攻めていく姿を見せ、かわすのではなく、攻めることによって次戦も好投し、自身初となる二桁勝利を飾ってもらいたい。

これまで投手陣の精神的支柱となっていた増田投手の存在はもうない。来季からは隅田投手ら若手投手たちが投手陣を引っ張っていかなければならない。だがライオンズには力のある投手が他球団以上に豊富にいる。隅田投手、松本投手だけではなく、今井達也投手武内夏暉投手渡邉勇太朗投手と、他球団が羨むほどの先発陣が揃っている。

リリーフ陣を見ても、今季ホークスから加入した甲斐野央投手はもうすでにライオンズの人になっているし、佐藤隼輔投手もセットアッパーとして確かな地位を築きつつある。今季こそ肘痛で離脱してしまった甲斐野投手ではあるが、リハビリでさらに強くなったことで、来季はきっと一年間フル稼働してくれるはずだ。そうすれば佐藤投手、甲斐野投手、アルバート・アブレイユ投手という勝利の方程式もより盤石なものとなるだろう。

さすがに打撃陣に関しては来季も2年連続して同じ状況にはならないはずだ。いくら資金力に乏しい西武球団であるとは言え増田投手、金子侑司選手岡田雅利捕手が引退していく中で、資金不足で四番候補を補強できないという説明は成り立たない。そのため来季はもう少し機能する補強がなされるはずだ。

増田投手がユニフォームを脱いでしまった来季、やはり日本代表にも選ばれてきた隅田投手や、今季は開幕投手を務めた今井投手がチームを先導していかなければならない。そして今、「自分たちがやらなければならない」という状況になっていくことにより、隅田投手らの中にさらなる責任感が芽生えるようになり、その責任感が彼らをもう一段上のレベルに引き上げてくれるはずだ。

こうして見ていくと打線の補強次第ということではあるが、来季に関しては決して悲観すべきような状況ではないと思う。歴史的に負けたシーズンとは言え、別に順位が7位や8位になるわけではない。何勝しても、何敗しても、6位は6位なのだ。この最下位という順位になったからには、もう失うものは何もない。来季のライオンズには恐れることなく相手に立ち向かっていく、まさにファイターのような姿を見せてもらいたい。

そしてそのためにも隅田投手らが球団を代表する投手ではなく、球界を代表する投手になっていかなければならない。だが今季の隅田投手は間違いなく昨季以上のピッチングを見せているため、来季はきっと最多勝争いに加わるような活躍を見せてくれるはずだ。筆者はそのような未来を想像しながら、来週隅田投手が10勝目を挙げる姿を期待していきたい。

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
⚾️ 筆者カズのTwitter(現X)
⚾️ 筆者カズの野球系YouTube
⚾️ 筆者カズの野球系Instagram
SNSのフォローやいいねもよろしくお願いします🙏

関連記事