試合結果/2024年05月03日(金) 埼玉西武1 - 0ソフトバンク 7回戦 ベルーナD

2024年5月 3日公開

埼玉西武ライオンズ vs 福岡ソフトバンクホークス/7回戦 ベルーナドーム
1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Hawks 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 0
Lions 0 0 0 0 0 1 0 0 × 1 3 0

継投○武内夏暉Sアルバート・アブレイユ
勝利投手武内夏暉 2勝0敗0S 1.55
セーブアルバート・アブレイユ 1勝2敗7S 1.93

ダイジェスト

もはやルーキーではなく主力投手と呼ぶべき武内夏暉投手

武内夏暉投手

もう多くのライオンズファンが優勝を諦めてしまったかのような書き込みをSNS上にする中も、筆者はまだまったく諦めていないし、奇跡など起こさなくてもまだまだ順位をひっくり返せる段階だと思っている。そもそもライオンズの4月までの不振がシーズンを通して続くことなどあり得ないのだ。

そして今日先発マウンドに登ったのはルーキーは武内夏暉投手だった。結果的には8回で100球を投げて被安打4、奪三振8、無失点という完璧に近いピッチングを見せてくれた。もはや彼はルーキーというよりも、歴とした主力投手だと言える。

この日の武内投手のボールで最も良かったのは、左打者に対する変化球だ。とりわけ三番柳田選手に投じた変化球はどれも素晴らしく、武内投手は柳田選手を3打数2三振0安打と完璧に封じ込めた。そしてこの柳田選手を空振りさせた変化球がどれも素晴らしかったのだ。

パ・リーグTVのテレビ中継画面だと角度がついて、正確にどの変化球だったのかは筆者には見えなかった。チェンジアップのようにも見えたし、スライダーやカーブ系の曲がるボールにも見えた。だが三振を奪った時に空振りを取ったのはいずれもカーブではなかったろうか。柳田選手はこのカーブにまったく合っていなかった。

そして炭谷銀仁朗捕手のリードも素晴らしかった。外に逃げていくカーブを投げる前にはスライダーを外の低めに投げさせ、さらには内角を突くボール球になる速いストレート、そして最後は外いっぱいのコースに緩いカーブを投げさせた。カーブの直前の投げさせたこのストレートが非常に効果的だったと言える。

他の捕手とは違いすぎる炭谷銀仁朗捕手のキャッチング技術のレベルの高さ

さて、好リードを見せた炭谷捕手だが、やはり炭谷捕手のキャッチング技術は他の捕手とは比較のしようがない。上手すぎるのだ。先日筆者は古市尊捕手のキャッチング技術が一軍レベルではないと書いたわけだが、炭谷捕手のレベルの高さと比較すると、古賀悠斗捕手柘植世那捕手でさえも一軍レベルには見えなくなってしまう。

この試合で武内投手は何球もチェンジアップを地面に叩きつけてしまった。だが炭谷捕手はそのすべてを難なくキャッチし、ミットからボールをこぼすことさえしなかった。キャッチャーがこれだけボールを上手く捕ってくれると、投げる投手からすると安心感を持てるのだ。叩きつけてしまったとしてもこのキャッチャーなら捕ってくれる、と思えると、投手も落ちるボールを思い切り腕を振って投げられるようになる。

まさに今日の武内投手がそうだった。炭谷捕手がすべてのショートバウンドになった変化球を難なく捕ってくれるため、変化球もしっかりと腕を振って投げることができていた。好リードやキャッチング技術の高さを考えると、3連戦のうち2試合は炭谷捕手をスタメンマスクとして起用すべきだと思えてくる。

もちろん古賀捕手や柘植捕手を育成していかなければならないわけだが、しかし誰が一番チームを勝たせられる捕手かと問われれば、間違いなく炭谷捕手だと言えるだろう。古賀捕手の場合は高い盗塁阻止率や、打力の高さもあるわけだが、キャッチング技術ということになるとまだまだ炭谷捕手には遠く及ばない。

もちろん年齢的に炭谷捕手は毎試合起用することはもはや難しいわけだが、武内投手だけではなく、今後スーパーエースへと成長していってもらいたい今井達也投手をさらにレベルアップさせるためにも、炭谷捕手とコンビを組ませても良いのではないだろうか。

マウンド上で獅子の咆哮をあげた守護神アブレイユ投手

さて、1-0で迎えた9回表のマウンドに登ったのはアルバート・アブレイユ投手だった。アブレイユ投手も先日みずほPayPayドームで打たれてしまった記憶がまだ鮮明に残っていたのだろう。この日のアブレイユ投手はまさに闘志をメラメラと音が聞こえるほどに燃やしていた。

まず二番中村晃選手をセカンドゴロに仕留め、三番柳田選手からはこの日3打席連続となる三振を奪い、その瞬間アブレイユ投手はマウンドで雄叫びをあげた。それはまるで獅子の咆哮のようだった。そして続く山川選手も危なげないライトフライに打ち取り、アブレイユ投手は見事先日のリベンジを果たしてみせた。

普段はどちらかといえば飄々と投げるタイプのアブレイユ投手ではあるが、この日は違った。マウンドに登った瞬間、もう顔つきがいつもとは違い、まるでここで打たれたすべてが終わるくらいの気持ちがボールには込められていた。

柳田選手に対しては5球投げたわけだがそのすべてがストレートで、4球が157km/h、1球が156km/hと、まさに唸りをあげるようなストレートを投げ続けた。一転山川選手に対してはすべて変化球で、ツーシームとスライダーで目線を左右に振らせながら、最後は155km/hのツーシームでライトフライに仕留めた。

ここに来て少し疲れが見え始めていたかなとも思われたアブレイユ投手ではあったが、しかしまったく問題なかったようだ。このペースでセーブを挙げ続ければ年間40セーブを超えていく計算になる。現在セーブ数でトップに立っているのは首位ホークスのオスナ投手の8セーブ、そしてアブレイユ投手がそれに続く7セーブとなっている。

ホークスはここまで18勝、ライオンズは10勝と、チームの勝利数には8勝もの違いがある。それでもセーブに関しては1つしか違わないのだから、ライオンズのチーム状態がもう少し上がって来れば、アブレイユ投手がセーブを荒稼ぎする時期も出てくるはずだ。

さて、気は早いがライオンズは5月はまだ一度も負けていない。5月は2戦2勝となり、やはり月が変わってツキも変わったのだろうか、それとも今井投手が髪を切ったことで憑き物が取れたのだろうか、兎にも角にも2つ勝つことができ、久しぶりの連勝となった。そして明日はそのエース、今井投手が登板するためチームは絶対に負けることは許されない。チームをさらに乗せていくためにも、エースが投げる試合ではしっかりと勝ち星を積み上げていかなければならない。だが今井投手が投げるのだから、明日もやはりライオンズは勝ってくれるはずだ!

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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