2024年5月 4日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | H | E | |
Hawks | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 4 | 10 | 1 |
Lions | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1× | 5 | 10 | 1 |
継投/ 今井達也〜 佐藤隼輔〜 Hアルバート・アブレイユ〜 ○水上由伸
勝利投手/水上由伸 1勝0敗0S 6.00
盗塁/若林楽人(1)
失策/外崎修汰(1)
ベルーナドームでのホークス8回戦、先発マウンドに登ったのは今井達也投手だった。だがこの今井投手がこの試合は本調子ではなく、ボールを外野まで運ばれてしまうケースが目立った。しかしそれでも7回を投げ抜いて3失点に抑え、QSをクリアしたことで見事先発としての役割を果たしてみせた。
本来であれば今井投手には先制点を献上しないピッチングを期待したいところではあったが、この試合では初回、一番の周東選手にヒットを打たれると二盗され、そして犠打を決められ一死三塁といきなりピンチを迎えてしまい、そして柳田選手のファーストゴロであっさりと先制点を献上してしまった。
4月のライオンズはとにかく先発投手が先制点を献上することが多く、それにより攻撃の幅が狭まって得点力がさらに低下し、そのままリードを保たれて敗れてしまうパターンが多かった。この初回の1点はよもや今井投手もかとさえ思わされたが、今日のライオンズ打線はしっかりと今井投手を援護してくれた。
今井投手が初回に1点を失うも、ライオンズ打線は2回裏に一気に3点を奪って逆転してくれた。このような見事な逆転劇を見られたのは一体いつ以来だろうか。ホークスのエラーも絡み、ライオンズはこの回4安打を固めることに成功した。逆転劇も、1イニングでの4安打も、ライオンズファンにとっては本当に久しぶりの出来事となった。
今日の試合のライオンズの姿を見ると、4月のライオンズとはまったく別のチームの試合を見ているかのようだ。チーム全体でも10安打を放ち、先発はヘスス・アギラー選手と渡部健人選手を除くすべての選手にヒットが飛び出した。しかも相手は今季ここまで好投を許しているモイネロ投手だ。
この好投手から8安打を放ち4点を奪ったのだから、ライオンズ打線が蘇りつつあると言って良いのではないだろうか。これが相手が一軍半の投手だった場合、相手投手が良くなかったから点を取れた、と評価しなければならないこともあるわけだが、しかし今季ここまで6試合に先発して防御率が1.58のモイネロ投手から4点を奪ったのだから、これはライオンズ打線としては自信にしても良いのではないだろうか。
さて、この試合のポイントはやはり4-3とリードした場面での8回表の守りではなかったろうか。マウンドに登ったは今井投手をリリーフした佐藤隼輔投手だったわけだが、まず先頭打者にピッチャー強襲のセンター前ヒットを打たれてしまった。だがヒットを打たれたとは言え、低めのボールゾーンに落ちる良いチェンジアップだったと思う。これに関しては打った打者を褒めるべきだろう。
そして続く打者が送りバントを決めるわけだが、ここでライオンズにあわやボーンヘッドが飛び出してしまった。何とサードを守っていた佐藤龍世選手がバントに対しチャージをかけた後に三塁ベースに戻らず、その三塁がガラ空きになってしまったのだ。だが一塁のカバーに入っていた外崎修汰選手が即座にそれに気づき二塁方向に走ったため、何とか走者に進塁を許さずに済んだ。だがこれは記録には残らないが完全なるボーンヘッドだった。
油断がそうさせるのか、ホークス戦という緊張感がそうさせるのかは分からないが、しかしミスはこれだけではなかった。同じ回では佐藤投手があわや暴投かと思われるような牽制球を投げてしまう。これに関しては渡部健人選手が何と捕ってくれたのだが一歩間違えば危険な牽制球だった。
そして四球もあり一死二塁一塁という場面で迎えたのは一番の周東選手で、佐藤投手は上手くショートゴロを打たせ、これで併殺が完成しチェンジかとも思われた。しかし源田壮亮主将のトスを受けて外崎修汰選手が二塁ベース上で二死目を奪ったまでは良かったのだが、その外崎選手が一塁に悪送球を投げてしまった。
そのボールはコースこそ外れなかったものの、この日一塁に入っていた渡部選手のファーストミットの僅か手前でワンバウンドし、無情にもこの間に二塁走者が生還し、ライオンズは土壇場で追いつかれてしまった。だがこの外崎修汰選手の悪送球に関してはコースを外れていなかったのだから、やはりファーストの渡部選手がしっかりと捕らなければならなかったし、捕っていればタイミング的にはアウトだった。ここがやはり普段一塁を守ることが多くはない選手の脆さとなるのだろう。
この悪送球の直後、外崎選手はしばらく二塁上で俯いたまま立ち上がることができなかった。その姿を見て、野球の神様は何と
そしてドラマは10回裏に訪れた。ライオンズはここまで延長戦15連敗中だったわけだが、まず先頭の金子侑司選手が四球で出ると、続く源田主将がラン&ヒットのサインでセンター前ヒットで続き、無死三塁一塁と絶好のサヨナラの場面が訪れた。だが続く三番若林楽人選手が敬遠で歩かされると、ヘスス・アギラー選手がまさの併殺打を打ってしまう。これは先日サヨナラホームランを打って乗っている若林選手との勝負を避け、調子が落ちているアギラー選手との勝負を選んだホークスベンチの勝利だったと言える。
場面はこれで二死三塁二塁となったわけだが、ホークスはやはり調子が上がってきている佐藤龍世選手との勝負を避けて敬遠策を選び、二死満塁という場面にして迎えた打者が、8回表に同点となるタイムリーエラーを犯してしまった外崎修汰選手だった。
初球は高めいっぱいのストレートを振ってファール。そして2球目はほぼ真ん中に入ってくるスライダーをセンターに弾き返し、見事タイムリーエラーを帳消しにするサヨナラヒットを放ってみせた。タイムリーエラーを犯してしまった直後は、外崎選手はもしかしたら死んでしまうんじゃないだろうかというくらい長時間俯いていたわけだが、このサヨナラ打により外崎修汰選手は見事生き返ってみせた。
そして外崎選手が見せた嬉し涙には、ライオンズファン全員が感動させられた。チーム状態はまだまだ非常に苦しいわけだが、選手たちがこうして必死にプレーをし続けている限り、ライオンズはこのまま最下位で終わるようなチームにはならないだろう。
今はまだ7つの負け越しで単独最下位に沈んでいるライオンズではあるが、まずはここから1つずつ負け越しを減らしていき、交流戦が終わる頃には貯金生活に入ってくれていれば良いと思う。それくらいのポジションにつけていれば、夏場以降の優勝争いにもしっかりと加わっていくことができるはずだ。
そして明日先発マウンドに登るのは隅田知一郎投手だ。隅田投手もやや調子が上がってこない試合が続いていたわけだが、明日こそは先制点を相手に許さない快投を見せてくれるはずだ。これでホークス3連戦に対しては先発投手が左、右、左となり、上手くホークス打線を幻惑させることができている。
今日の試合に関しては今井投手が本調子ではなかったということもあるが、しかし今井投手の右腕から放たれるストレートはやはり速かった。あとは明日、左投げの隅田投手が昨日の武内投手に負けないような安定感のあるピッチングを見せてくれれば、このカード3連勝という可能性も十分に考えられる。
いや、考えられるというよりは、3連勝する獅かないのだ。打線は今日の勢いのまま試合に入っていき、あとは隅田投手が先制点の献上を許さないピッチングを見せてくれれば、ライオンズはこの連勝を4まで伸ばすことができるだろう。そのためにも筆者は明日もリアルタイムでライオンズを応援したい!