2024年3月19日公開
埼玉西武ライオンズvs広島東洋カープ/オープン戦
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Carp | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 4 | 1 |
Lions | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | × | 3 | 7 | 1 |
開幕10日前となり、だいたい開幕ローテーションの形が見えてきた。この日のカープ戦で平良投手が先発したことにより、以下のようなローテーションを予想することができる。
【表ローテ】
一番手/金曜日 今井達也投手
二番手/土曜日 隅田知一郎投手
三番手/日曜日 松本航投手
【裏ローテ】
一番手/火曜日 平良海馬投手
二番手/水曜日 武内夏暉投手
三番手/木曜日 未定
ルーキー武内投手は明日20日のカープ戦に先発予定であるため、よほど大崩れしない限りは開幕ローテーションでは、裏ローテの二番手に入ることが予想される。ちなみに表ローテの三番手には松本投手の名前を挙げたが、前回の登板では不甲斐ないピッチングをしてしまったため、開幕ローテ入りが確定するかどうかは次回のオープン戦でのマウンドにかかってくるだろう。
そして裏ローテの三番手、つまり六番目の先発ピッチャーに関してはまだ予測はできない。イースタンリーグで登板している髙橋光成投手次第という側面も強く、髙橋投手が間に合わなかった場合はボー・タカハシ投手や與座海人投手あたりが入ってくるのかもしれない。渡邉勇太朗投手に関しては競争からはやや脱落してしまったように見える。
だが髙橋光成投手がまだ計算できないという状況であるにもかかわらず、ライオンズは先発投手不足には苦しんでいない。仮に髙橋投手が開幕に間に合わなかったとしても、その穴を埋められる投手がまだ複数人いるのだ。この状況はライオンズ投手陣の層の厚さを感じさせてくれ、豊田清投手コーチも自慢のピッチングスタッフだと胸を張っているのではないだろうか。
さて、別に驚くことではないのだが、今季も栗山巧選手と中村剛也選手が元気だ。栗山選手は前回の試合でしっかりとヒットを放っているし、この試合では中村選手は犠牲フライとツーランホームランを打ち、チームの3打点すべてを中村選手が挙げた。
このベテランふたりに関しては流石の調整力で、不安要素はまったくないと言って良いだろう。そして同じくベテランと言えば背水状態となっている金子侑司選手も調子を上げてきている。オープン戦はここまで6試合に出場し、13打数6安打で打率は.462まで上がってきている。
盗塁に関してもここまで2の0だったのだが、この日のカープ戦では自慢の足でようやく盗塁を1つ記録することができた。ただその走っている姿を見ると、やはり盗塁王を獲った頃と比べると、トップスピードへの入り方がやや鈍くなっているように見える。どれだけ早くトップスピードに入れるかは、盗塁の成否を大きく左右する要素となるため、現時点ここまでの脚力を見る限りでは、盗塁王争いに加わるほど走ることはできないのではないだろうか、と筆者は考えている。
だがやや落ちてきた脚力とは言え、盗塁する技術と経験値は誰よりも高いものを持っている。そのためベテランとなった金子選手がその経験値を生かしていけるようになれば、盗塁王を奪還できなかったとしても、それに近い盗塁数は稼いでいくことができるのではないだろうか。
今季のリードオフマン候補だった若林楽人選手、西川愛也選手、長谷川信哉選手が軒並み低空飛行を続けている現状で、金子選手が一気に抜け出てきた感がある。だが金子選手は怪我がやや多い選手であるため、その怪我にさえ気をつけて行けばある程度の成績は残していくのだろう。いずれにしても栗山選手、中村選手、金子選手に加えて炭谷銀仁朗捕手や増田達至投手らベテラン陣が例年以上に元気なのはチームにとって大きなプラスだと言える。
さて、元気の良いベテラン陣に対しやや心配なのが元山飛優選手だ。オープン戦は少し前までは打率.400を超える活躍を見せていたのだが、先日のホークス戦で2死球を受けて以来、バッティングの積極性がやや欠けてきているように見えるのだ。
バッター心理としては死球を受けた後は再度当てられるのを嫌がり、なかなか思い切って踏み込んでいくことができなくなる。すると簡単に泳がされてしまったり、引っ掛けてしまうバッティングが多くなり、打率は急降下していくことになる。元山選手はまさに今そのような状態に見え、打率は.238まで一気に落ちてきてしまった。ヒットも3月12日を最後に出ておらず、現在は10打数連続ノーヒットが続いている。
せっかく体を開かずに打つフォームを身につけてミート力が上がってきたというのに、ホークスから2打席連続死球を受けて以来、バッティングが崩れてきてしまった。もちろん野球に死球は付き物であるわけだが、しかし2打席連続というのはちょっと普通では考えられない。
仮に死球による怪我の心配は一切なかったとしても、この2打席連続死球が元山選手のバッティングを崩してしまったことは間違いないと言える。だが幸い開幕まではまだ10日あるし、ここからホームで行っていくオープン戦で崩れた部分をしっかりと修正していければ、また状態を上げていくこともできるだろう。
この日のカープ戦では初めて三番として起用されて期待の大きさも窺えるだけに、元山選手にはこのまま崩れ落ちてしまうのではなく、ここからタフにもう一度状態を上げてきてもらいたい。元山選手がもし三番打者として定着することができれば、クリーンナップもある程度固められるようになり、それにより打線のつながりも良くなり、得点力も上がっていくはずだ。そのためにも元山選手の次戦には筆者は大きな期待を寄せいたい。