2024年4月 2日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Buffaloes | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 8 | 0 |
Lions | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 2 | 9 | 0 |
継投/○平良海馬〜H水上由伸〜H本田圭佑〜H甲斐野央〜Sアブレイユ
勝利投手/平良海馬 1勝0敗 0.00
セーブ/アブレイユ0勝0敗2S 0.00
昨季のパ・リーグ覇者バファローズとの初戦、先発マウンドに登ったのは平良海馬投手だった。結果としては5回2/3を投げて被安打5、奪三振3、無失点という内容だった。残念ながらQSクリアとまでは行かなかったが、先発投手としてある程度の責任は全うできたと言って良いのではないだろうか。
平良投手本人の感触がどうだったかは分からないのだが、筆者が見ている感じでは調子が良さそうには見えなかった。調子が良い時の平良投手であれば、もっとバットをへし折るくらいのボールを先発でも投げていたわけだが、この試合では合わせただけのバットで簡単に外野まで飛ばされてしまう打球が多かった。
それでも被安打5の無失点で抑えるのだから流石としか言えないわけだが、6回途中まで投げて3奪三振というのは本人としてはかなり物足りない数字となったのではないだろうか。WHIPもこの1試合では1.76という数字になっており、常時走者を背負うようなピッチングになってしまった。調子が良い時の平良投手であれば、WHIPは悪くても1点台前半に留まっているはずだ。
そして新球ジャイロスライダーも試していたようだが、どうやら森友哉捕手には打たれてしまったようだ。このボールにどれだけの威力や効果があるのかは筆者にはまだ分からないのだが、スラーヴに近い動きを見せることもあり、打者のタイミングを上手く外す効果があるのかもしれない。
ただ、まだ公式戦ではほとんど投げていないボールであるため、ジャイロスライダーもこの1試合だけで評価することはできないと思う。平良投手自身これからもどんどんこの球種を使っていくことによりさらに磨きをかけて、勝負球としても使えるくらいにしていくという考えを持っているのだろう。
それでも現段階においてはまだまだ未完成か、もしくはこの試合に関しては精度が良くなかったかのどちらかだと思う。そしてこのジャイロスライダーの精度が上がってきた時、平良投手の先発投手としてのピッチングの幅がさらに広がっていくことになるのだろう。
さて、打つ方では残念なニュースが入ってきてしまった。ここまで開幕3試合で好調を維持してきたブランドン選手だったが、左ハムストリングスの張りを訴えているようだ。せっかくキャンプからオープン戦にかけて完走してきたというのに、支配下選手登録に復帰した途端にまたこうして離脱してしまうのは、もったいないとしか言いようがない。
ただし怪我というほどの症状ではなく、あくまでも張りであるため、この試合は念のための欠場となったようだ。しかしこうも早く離脱ということになってしまうと、ブランドン選手のコンディショニング法に問題があるという可能性も考えなければならない。ブランドン選手は現在は個人トレーナーと契約して体づくりを行なっているはずなのだが、その体づくりがまだ道半ばだったのかもしれない。
アスリートの体づくりは当たり前だが一朝一夕ではどうにもならない。一年二年と徹底した体づくりを継続することにより、ようやく怪我をしにくい体を手に入れることができる。ブランドン選手の場合は元々怪我が多く、それにより試合に出られない時期が続いていたため、体づくりも0からのスタートではなく、かなりのマイナスからのスタートだったはずだ。
そう考えるとやはり、調子が良くて飛ばしていた部分もあっただろうし、久しぶりの一軍でのプレーが続いた緊張感もあっただろうし、開幕カードを戦い抜いて少し力が抜けたところで、疲れが溜まっていた部分が声を上げ始めてしまったのかもしれない。いずれにしてもファンとしては軽症で済むことを祈るばかりだ。
そして一方で元気なのが二番・三番コンビだ。二番を打つフランチー・コルデロ選手はオープン戦は低打率に苦しんだわけだが、開幕してみるとここまでの打率は.357と好調で、この試合でも2本のヒットを放っている。
三番を打つ外崎修汰選手もこの試合はマルチヒットを記録し、打率はコルデロ選手を上回る.471となっている。そしてこの二人でしっかりとチャンスメークできているからこそ、四番ヘスス・アギラー選手の打点も増えやすい状況が続いている。
やはり四番打者に打点が付くとチームも勢い付きやすい。もちろん今日の試合の時点ではアギラー選手の打点は、イーグルス2回戦でマークした3打点のみに留まっているわけだが、二番三番を打つ二人がこのように好調であれば、アギラー選手の打点はどんどん増えていくことになるだろう。
試合そのものはまだロースコアの方が多くはなっているが、しかし昨季とは比べられないほどライオンズの得点力はアップしている。それもこれも、現状では二番三番コンビの好調が要因となっていると言える。昨季までは源田壮亮主将が不動の二番打者だったわけだが、オープン戦であまりヒットが出なかったこともあり、開幕は下位打線として迎えることになった。
だが源田主将を下位打線に置くことが奏功して二番コルデロ選手というオーダーが誕生し、新たなライオンズ打線が形成されることになった。ちなみにメジャーでは二番最強論、三番最強論が唱えられることが多く、四番よりも二番・三番に強打者が置かれることが多い。かのデレク・ジーター選手も主に二番に座り続けた強打者だったし、現代で言えば大谷翔平選手が二番打者としてドジャース打線を牽引している。
そう考えると今までのライオンズにはなかった選択肢、二番にスラッガーを置くというのは、メジャー経験者である松井稼頭央監督としてはごく自然な流れだったのかもしれない。ちなみに投高打低になるほど二番最強論が威力を発揮しやすくなる。投高打低の場合連打で繋ぐ野球が難しくなるため、初回の早い段階で二番打者で得点しておくという戦い方が試合を有利に進めるケースが多くなる。
だがもし読売ジャイアンツのように「第○○代目四番打者」というような肩書きが付いてしまう場合、なかなか強打者を二番に持っていくことはできないのだろう。そういう意味ではライオンズにはそのような縛りがなかったたため、松井監督もコルデロ選手を二番に置きやすかったのかもしれない。
二番コルデロ選手というオーダーはまだまだお試しという部分もあると思うのだが、当のコルデロ選手本人は二番を打つことにはまったく違和感は持っていないようだ。そのためしばらくこの打順で戦っていくことになるのではないだろうか。そしてここまではこのオーダーがしっかりと機能しているため、当面はコルデロ選手にホームランが出始めたとしても並びを変えることはないと思う。