2024年4月19日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Eagles | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 4 | 8 | 1 |
Lions | 3 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | × | 5 | 8 | 0 |
継投/ ○今井達也〜 甲斐野央〜 Sアブレイユ
勝利投手/今井達也 2勝0敗0S 0.64
セーブ/アブレイユ 0勝1敗5S 0.00
本塁打/岸潤一郎(2)
ようやく連敗を7で止めることができた。今日はそれに尽きるのではないだろうか。7連敗中はチーム内の雰囲気もどこか重苦しく、果敢なプレーを見せようとしてもどこか空回りしたり、裏目に出てしまうことが多かった。今日の試合も決してベストゲームだったとは言えない。しかし1つ勝てたことで負の連鎖による呪縛からはようやく解き放たれるのではないだろうか。
これでとりあえず、まず最下位は一旦脱出することができた。最下位イーグルス、4位バファローズと5位ライオンズの差はそれぞれ1ゲームとなり、首位ホークスとの差も4.5ゲームを維持することができた。だがもちろん1つ勝っただけで安心することはできない。
今日はたまたまイーグルスの開幕投手でもある早川投手の立ち上がりを攻めることができた。しかし4回にイーグルスの捕手が太田捕手から石原捕手に代わると早川投手の立ち直りを許してしまい、その後4〜7回は無得点に終わってしまう。6回には2本のヒットを続けてチャンスメイクするも、併殺打でその機会は潰えてしまった。
先制、追加点というところまでは良かったが、6回にダメ押しの1点を取れていれば試合の流れはもっと良いものになっていただろう。だがとにかく本当に勝てて良かった。どんな形でもホームに戻った今日の初戦でしっかりと勝ち切り、悪い流れを断ち切る必要があった。
さて、最近のライオンズはいくつもの場面で対策が裏目に出てしまっているわけだが、その一つがやはりフランチー・コルデロ選手だと言えるだろう。コルデロ選手に関しては筆者は指名打者を試すべきだと書いたわけだが、二軍に落ちてからのコルデロ選手は指名打者としてここまで毎試合ヒットを記録している。
スポーツ紙では守備力の低さも抹消の理由になったと書かれていたが、もしコルデロ選手の守備力向上を期待するのであれば、二軍の試合でもレフトを守らせるはずだ。だがここまで指名打者としてしか起用されていないということは、今後一軍復帰した際は指名打者での起用が検討されているのかもしれない。
このコルデロ選手のケースは、調子が悪くて二軍に落としたが起用法を変えたらすぐに復調してきたという、まさに采配が裏目に出た大きなポイントだったと思う。
ここまでDHに入ることが多い中村剛也選手がまだ低空飛行を続けている現状、もしかしたらコルデロ選手は10日間での最短復帰で一軍のDHに入って来るのではないだろうか。
とにかくここで言いたいことは、いくら中村選手が重要な存在であるとは言え、低空飛行を続けている限りその座を聖域にしてはならないということだ。聖域は必ず不満分子を生み出すため、軸は軸としてしっかり据えながらも、調子が悪い選手は下に落とし、二軍で好調の選手は好調なうちに一軍で起用してあげて欲しい。
例えば今二軍で好調なのはコルデロ選手、若林楽人選手、陽川尚将選手だ。外崎修汰選手、源田壮亮主将、ヘスス・アギラー選手という打線の軸となっている三人以外は、好不調により積極的に一二軍の入れ替えをしていき、常にチームをフレッシュな状態にキープしていかなければならない。それが選手層が薄いチームの取るべき戦略だ。
この入れ替えが上手くいかなかったり滞ったりしてしまうと、チーム内の空気はどんどん澱んでいき、7連敗中のように様々な面で作戦が裏目に出てしまうようになる。再度そうならないためにも、松井稼頭央監督には常にチーム内の空気が新鮮であるようにしてもらえたらと思う。
さて、今日先発マウンドに登ったのはイーグルスキラーの今井達也投手だ。今井投手は期待に違わぬ活躍で、さすがはエースという姿を見せチームの連敗を止めてみせた。
結果的には7イニングスで103球を投げて被安打5、奪三振9、失点1という素晴らしい内容で、防御率は0.64と圧倒的な数字を維持している。ここまでの今井投手はまさに近年の山本由伸投手クラスの圧倒的なピッチングを見せてくれている。
今日の一戦でエースにようやく2勝目が記録されたわけだが、今井投手のこれまでのピッチングを振り返ると、打線の援護さえあれば今日の勝ち星が4勝目になっていたとしても不思議ではない。いや、不思議ではないと言うよりも、本来であれば今日の勝ち星が4勝目になっていなければならないと言った方が適切だろう。
そういう意味で2試合目、3試合目の登板は今井投手にとっては我慢の時となっていたわけだが、援護に恵まれず好投しながらも勝てない中でも決して集中力を切らすことなく、今日の見事なピッチングに繋げてくれた。そしてここまでの今井投手のピッチングは、久しぶりにライオンズに絶対的エースが誕生する予感を与えてくれる。
リードオフマンに関しては、やはり今日も機能することはなかった。二番に入った岸潤一郎選手はホームランを含むマルチヒットで素晴らしい活躍を見せることができたが、一番に入った長谷川信哉選手は先日の3四死球とは打って変わり、今日は一度も出塁することができなかった。
しかしだからと言ってここで長谷川選手と岸選手の打順を入れ替えるべきではないと思う。せっかく二番に入った岸選手が機能しているのだから、二番岸選手はこのまま続けるべきだろう。変えるとしたらやはり一番打者だと思う。
ベテラン金子侑司選手はもうオープン戦時ほどの好調さは見られないし、今日からの3連戦で良いところを見せられなければ、試合のない次の月曜日にも早ければ抹消となるのではないだろうか。
すると二軍で好調の外野手と言えば若林選手となるため、どうせここまで誰も一番打者として仕事を果たせていないのだから、二軍で好調な若林選手を再度一番に据えてみても良いのではないだろうか。二軍で調子が落ち始めてからではなく、やはり調子が良い今起用してあげるべきだと思う。
そしてそれに関しては陽川選手も同様で、中村剛也選手が低空飛行なのだから、同じベテランの内野手でもまだまだ中村選手以上に動ける年齢の陽川選手を、ぜひ二軍で好調である今こそ、一軍でのチャンスを与えてあげて欲しいなと筆者は期待している。
ライオンズは金満球団のように唸るほど選手を抱えているわけではない。金満球団の場合はFA加入した選手とポジションが被ると、若手選手はなかなか試合に出ることができない。しかしライオンズにはそこまでの人数がいないどころか、二軍の試合では選手が足りなくなることさえもある。
そして一軍も金満球団のように層が厚いわけではないため、チャンスを与えようと思えばいくらでも与えることができる。このような状況のライオンズは、いかに状態の良い選手をタイミングよく起用していけるかが勝利の鍵となるのではないだろうか。
とにかく今のライオンズは1つ勝ったからと言って安心できる状況ではない。ようやく勝てた今日だからこそ、ここで改めて兜の緒を締めておく必要がある。7連敗したという事実を変えることはできないが、しかしこれまで上手くいっていなかったことを、これから変えていくことはできるし、それによりもし7連勝できれば、それは若いチームにとって大きな自信になるだろう。
そのためにも松井稼頭央監督には二軍で調子の良い選手たちを積極的に起用してあげて欲しいなというのが筆者の今現在の気持ちだ。