2024年4月29日公開
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
Lions | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 5 | 1 |
Hawks | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3× | 5 | 8 | 1 |
継投/ 髙橋光成〜 H水上由伸〜 ●アルバート・アブレイユ
敗戦投手/アルバート・アブレイユ 0勝2敗6S 2.25
本塁打/ 中村剛也(3)、 金子侑司(2)
失策/ 佐藤龍世(1)
これがもし首位争いをしているような状況であれば、アブレイユ投手で打たれたのだからもう仕方がない、とも考えられる。だが連敗し続けている現状では、アブレイユ投手が打たれることほどダメージが大きなことはない。せっかくリードを保ったまま守護神アブレイユ投手に繋いだわけだが、そのアブレイユ投手がまさ2点のリードを守り切れないとは、誰も予測できなかったはずだ。
もうここまで来ると戦力云々ではなく、何かに取り憑かれているとしか思えなくなる。必要なのは戦力補強なのではなく、もしかしたらお祓いか何かなのかもしれない。
9回裏、4-2とリードした場面でアブレイユ投手はマウンドに登った。ここまではの12試合は自責点0で、防御率も0.00を維持していた。だがそのアブレイユ投手が先頭打者を歩かせてしまい、一死後にヒットを打たれ走者を2人溜め、柳田選手に逆転サヨナラホームランを浴びてしまった。
柘植世那捕手が構えたミットは外角低めにあった。だが最後にアブレイユ投手が投じたボールはほとんど真ん中に入る完全な失投で、「ホームランを打ってください」と言っているかのような甘い球だった。
アブレイユ投手を責められないとは言え、しかしチーム状況が分かっている守護神であれば、やはりこの場面は何がなんでも抑えなければならなかった。それが守護神の務めなのであるから、この場面では流石に「ここまでよく頑張ってきた アブレイユ投手を責めることはできない」とは言うべきではない。これを言って良いのは上述の通り首位争いをしている時のみだ。
さて、先発した髙橋光成投手は7回で123球を投げて失点2(自責1)に抑えた。この数字だけを見るとHQSだし、好投したと言うこともできる。しかし今日の試合もやはり2回に簡単に先制点を献上してしまっている。
確かに今日は中村剛也選手の同点ホームラン、金子侑司選手のスリーランホームランで4点を奪うことができた。しかしヒットが出たのはその4回と5回のみで、残りの7イニングスでは1本もヒットを打つことができず、四球を1つ選ぶのがやっとだった。
ライオンズは今、非常に悪い流れの中にいる。にも関わらずこうも簡単に先制点を献上してしまうと、打線や守りのリズムがさらに悪くなってしまう。その結果7イニングスでノーヒットとなり、佐藤龍世選手のたった1つのエラーが痛い失点に繋がってしまった。
先発投手陣はよく頑張っていると言われることも多い今季のライオンズだが、しかし簡単に先制点を献上してしまうケースは目立っており、数字的には好投をしているわけだが、良い流れを呼び込むという意味では先発陣も決して良い働きをしているわけではない。唯一良い働きを続けているのは今井達也投手ただ一人だ。
一方打撃陣に関しては、首脳陣は源田壮亮主将の状態が上がって来たと見たのだろう。そのため源田主将が二番に戻されている。逆に近頃二番として良い働きを見せていた平沼翔太選手が七番に降格となっている。
これは少し前に二番として活躍していた岸潤一郎選手を、活躍した翌日に下位打線に落とした時にも同じことを書いたのだが、活躍しているにも関わらず打順を下げられるというのは、選手としてはモチベーションを維持するのが難しくなる。もちろん選手たちがそれによって表立って「モチベーションが下がった」と言うことはないわけだが、しかし内心「なぜ下げられたのだろう」と思うこともあるはずだ。
そして打線を固定しないことによって選手個々がなかなか役割を理解し切れずにいるように筆者には見えている。金子選手と平沼選手の一・二番コンビは昨日の試合も含めてしっかりと機能していたのだから、そこは決して変えるべきではなかったと思う。
ちなみに先発オーダーの決め方はチームによって異なる。監督の考えが最優先されるチームもあれば、コーチが上げてきたオーダーを基本的にはそのまま採用するチームもある。これはもうまさにチームそれぞれで、現在ライオンズがどちらのパターンなのかは筆者には分からない。だが過去の話を思い出すと後者である可能性が高い。
やはりライオンズは打線を固定すべきだと筆者は思う。これだけコロコロ打線を変えていては選手は戸惑うばかりになる。もちろん各々が文句の付けようがない結果を残しているのであれば変えられることはない、とも言える。しかし役割を固定されないために日々違った役割を演じなければならなず、それによってプレーが安定しないということを現状と見るべきだろう。
一部の選手は調子が悪くなるとすぐに打撃フォームを変えたがる。例えば若い頃の炭谷銀仁朗捕手はそのようなタイプの打者だった。フォームをコロコロと変えてしまうためになかなかフォームが固まらず、安定したスウィングができないことで期待通りの打撃成績を残すことができなかった。
今のライオンズ打線にも同じことが言える。オーダーをコロコロと変えてしまうことによって選手個々の役割が安定せず、それによって選手の中に戸惑いが生じている。そしてその戸惑いがスウィングの安定感を低下させ、打線全体の調子を押し下げてしまっている。
少なくとも筆者にはそう見えているため、やはり選手個々にそれぞれの役割に徹してもらうためにも松井稼頭央監督は打線を固定すべきではないだろうか。そして少なくとも仕事をした選手の打順を、翌日の試合で下げることだけは絶対に避けるべきだと思う。