HOME > ニュース (89記事) > 宮川哲投手に代わって西武入りするのは未来の主将候補・元山飛優内野手

2023年12月21日公開

宮川哲投手に代わって西武入りするのは未来の主将候補・元山飛優内野手

2019年ドラフト1位の宮川哲投手がスワローズにトレード移籍

東京ヤクルトスワローズにトレード移籍する宮川哲投手

今日はライオンズファンにとっては驚きのトレードニュースが飛び込んできた。2019年のドラフト1位宮川哲投手が、トレードでスワローズに移籍することになった。逆にスワローズからは元山飛優内野手がライオンズに加入する。

宮川投手は入団してからの3年間はリリーバーとしてしっかりと一軍に帯同し続けていた。もちろん時々不調に陥ったり、コロナ感染してしまったことで登録抹消されたことはあったが、入団から3年間はリリーバーとしてしっかりと一軍の試合に出続けていた。

だが今季2023年に関しては先発転向となり、一軍ではプロ初先発登板も含めて4試合で4先発を経験した。残念ながら一軍ではまだ先発としては良い数字を出すことはできていなかったが、イースタンリーグでは先発投手としての立居振る舞いも板についてきていた。

イースタンリーグでは今季20試合に登板して6勝2敗、防御率も2.45という安定した数字を残しており、今後一軍のローテーション入りも期待されていたところだった。それだけに、しかもドラフト1位選手だっただけに、今回のトレードのニュースにはやや驚かされた。

宮川哲をトレードで出せる状況を整えた渡辺久信GMの手腕

ライオンズでは近い将来、髙橋光成投手平良海馬投手のメジャー移籍が有力視されている。同じシーズンでふたり同時というのは考えにくいが、近い将来このふたりがライオンズを去ることは確かだと言える。

そのため渡辺久信GMも今季中からすでに先発投手の育成を始めていた。宮川投手の先発転向もその一環であり、今オフに関してはボー・タカハシ投手と青山美夏人投手も来季からの先発転向指令を受けている。このようなチームリビルディングを見ていると、渡辺久信GMの先々を見越す力はさすがだなと感じさせられる。

チームではボー・タカハシ投手と青山投手を先発に専念させられる環境が整い、さらには現役ドラフトでは先発タイプの中村祐太投手を獲得できたことから、先発転向したばかりの宮川投手をトレードに出せる状況になった。宮川選手の移籍はファンとしては本当に残念ではあるが、しかし宮川投手を出せる状況までチームを整えられたのは、渡辺久信GMの手腕の高さによるものだ。

宮川投手に関してはすでに二軍では先発としての実績を挙げ始めていた。一軍では結果を残せなかったものの、イースタンリーグでは先発の水にも慣れ始めているようだった。そのため来季は先発投手としてもう少し一軍に食い込んでくるのではないかと思われていただけに、宮川投手のトレードには驚かされてしまった。

だがライオンズは確かに内野陣の補強も必要になってきている。一塁アギラー選手、二塁外崎修汰選手、遊撃手源田壮亮主将というのはある程度不動になっていくだろう。だが三塁に関してはレギュラーが定まっていないのが現状だ。

渡部健人選手が正三塁手候補の筆頭だとは思うが、今オフから背番号が10番に変わった佐藤龍世選手や、平沼翔太選手、山村崇嘉選手、そして宮川投手と代わってライオンズ入りする元山選手も渡部選手に負けじと三塁のレギュラーを狙いにいくだろう。

現時点では空白となっている三塁のレギュラー争いが、元山選手が加入することで熾烈を極めることになる。これは空白のポジションを埋めるためにはGMとしては非常に効果的な競争の促し方だと思う。

キャプテンシーのある元山飛優選手は次期主将候補?!

そして元山飛優選手は2020年のドラフト4位の内野手で、ショートを本職にしながらもサードとセカンドを守ることもできる。宮本慎也選手の背番号6を受け継いだ期待の内野手だったわけだが、プロ3年間でそれほど目立った活躍を見せることはできなかった。

ルーキーイヤーに関しては97試合に出場しているのだが、2年目となる2022年に前年の死球による手首痛で遅れをとってしまい、それによりシュートのレギュラー争いから脱落してしまったことは本人としては非常に悔しかったはずだ。

だがライオンズではショートというポジションに拘らず、今空いている三塁のポジションを死に物狂いで狙いに行って欲しい。そして元山選手にはキャプテンシーもあるため、源田主将の後任を務める主将候補としても見ることができる。

高校時代は主将として甲子園に出場し、大学時代には日本代表でも主将を務めている。そしてプロでも主将を務められるようにするためにも、まずは試合に出られる選手にならなければいけない。

現在のライオンズで源田主将のショートに挑んでもまず太刀打ちはできないだろう。だからこそショートに拘ることなく、今はとにかく試合に出られる道を模索する必要がある。

元山選手は大学時代には3年連続でベストナインに選ばれたことがあるトッププレイヤーだった。つまりそのポテンシャルは計り知れず、プロでも試合に出続けられれば間違いなくある程度しっかりとした数字を残せる選手であるはずだ。

宮川選手の移籍は非常に残念ではあるが、しかし宮川選手同様に素晴らしい選手がライオンズに加わることは、これは喜ばしいニュースだと思う。来季宮川選手にはスワローズでローテーション入りする活躍をしてもらい、元山選手にはライオンズでレギュラーの座を掴み取る働きをぜひ見せてもらいたい。

関連記事

THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
🐦 筆者カズのTwitter(現X)

Latest Articles - 最新記事