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2024年3月13日公開

【ゲームレビュー】2024年03月13日 埼玉西武vs中日/オープン戦

埼玉西武ライオンズvs中日ドラゴンズ/オープン戦

1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E
Dragons 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 8 1
Lions 0 1 0 0 0 0 0 2 × 3 7 0

武内夏暉投手、ピンチを三者連続三振で切り抜ける!

武内夏暉投手

この日行われたドラゴンズとのオープン戦、先発マウンドに登ったのはルーキー武内夏暉投手だった。前回の登板はグラウンドコンディション不良による中止となってしまい、ライヴBPに登板するだけにとどまったわけだが、この日のゲームはベルーナドームで行われたため、仮に雨が降っても問題はなかった。

ただ、ベルーナドームはまだまだ寒そうだ。ほとんどの選手がネックウォーマーを着用しており、寒さから身を守るのが大変そうに見えた。そんな寒さの中先発マウンドに登った武内投手だったが、結果的には4回を投げて被安打1、奪三振5、失点0という素晴らしいピッチング内容だった。

春季キャンプが始まった頃から開幕ローテ入りが囁かれていた武内投手だが、これだけのピッチングを見せられるともうほぼ確定なのかなという気さえしてくる。ちなみにここまでのピッチングで開幕ローテ入りが確定しているであろう投手の名前を挙げると、今井達也投手平良海馬投手松本航投手、そして隅田知一郎投手あたりの4人となるのではないだろうか。

髙橋光成投手はイースタンリーグの開幕戦でようやく実戦復帰するという段階で、與座海人投手に関してはまだ首脳陣を納得させられるピッチングを見せることができていない。さらにこの試合で2試合目のチャンスをもらった渡邉勇太朗投手も、なかなか安定感のあるピッチングを見せられずにいる。

残り2枠となっていると考えられる開幕ローテ枠だが、まず髙橋投手に関しては、イースタンリーグで投げてみて右肩のコンディションに不安がなければ、開幕投手じゃなかったとしても開幕ローテ入りは確実だと言えるだろう。すると残り1枠となるわけだが、現状で非常に良いアピールをしているのが武内投手と、ボー・タカハシ投手の2人だ。

約二週間後に迫った開幕戦だが、開幕ローテーション入りするであろう投手たちは、少なくとももう1〜2試合ずつは登板し、これまで以上に長いイニングを投げてくるはずだ。そして武内投手もまた一週間後あたりに登板してくるわけだが、今日のピッチングは、その権利を得るには十分すぎるピッチング内容だった。

圧巻だったのは2回表のピッチングで、武内投手は先頭の細川選手に三塁打を打たれてしまった。無死三塁であるため、内野ゴロでも1点入ってしまう状況だ。しかし武内投手はここでルーキーらしからぬ姿を見せた。無死三塁になった直後にギアを入れ替えたようなピッチングをし始めたのだ。

三塁打を打たれるまでの打者4人に投げたボールと、三塁打を打たれた直後の打者3人へのボールの力強さは明らかに違っていた。投球フォームの躍動感もアップし、体全体をバネのように使って投げているように見えた。その結果内野ゴロさえ許されない無死三塁のピンチを作った後、武内投手は三者連続三振でこのピンチを切り抜けた。

さらにこの試合で武内投手は2つの四球を出したわけだが、そのいずれの走者も牽制でアウトにしている。これは共に炭谷銀仁朗捕手のサインだったようだが、そのサインに冷静に応えられる武内投手はやはり、並のルーキーーではなさそうだ。

ボー・タカハシ投手の開幕ローテ入りを見てみたい気持ちもあるが、しかし残り1枠になっていると思われる開幕ローテ枠なだけに、新人王というものを考えると武内投手に加わって欲しいという気持ちがやはり強くなる。武内投手はルーキーイヤーからしっかりと一軍に帯同していくことが予想されるため、武内投手が新人王を獲得できるチャンスは今季が最初で最後となる。

そして開幕ローテーション入りし、仮に二桁勝利を達成できなかったとしても、一年間ローテーションを守って8勝程度挙げることができれば、新人王を獲得できる可能性は非常に高くなるだろう。一生に一度しか狙えない新人王を獲得させてあげるためにも、ボー・タカハシ投手も非常に良いピッチングを続けているわけだが、開幕ローテということで言えば、武内投手に加わっていってもらいたいなと筆者は密かに思ってしまうのである。

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THE埼玉西武ライオンズガゼット筆者/カズ
筆者 2010年1月よりパーソナルコーチとしてプロ野球選手のサポートを行うプロフェッショナルコーチ。 選手の怪我のリスクを正確に分析し、怪我をしないフォームに変える動作改善指導が特に好評。 このブログではプロコーチ目線でライオンズについて冷静に、そして愛を込めて書いていきます!
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